とある魔術の禁書目録 ♯12『絶対能力(レベル6)』

 今シリーズに突入してからテンポもよくなり観やすくなりました、と数週間前に書いたような記憶がございますが、どうしたことかまたも悪癖が。何度も書きましたが映像作品は「語るより観せろ」という方向でお願いしたいものです。
 御坂の心理状態は「誰か助けて…」だけでも事足りるわけで、そこから延々と喋らせるからその悲しみが空虚に思えてしまいました。小説であれば…、ということも何度も書いたような気が致しますがもう一度書いておきます。小説であればこの場面の台詞量は適切か、もしくわ少ないと感じたかと思いますが、映像として観ておりますと「長い」「冗長」と悪態をつきたくなります。そこを足したり引いたりして「魅せる」映像にするのが「プロ」の脚本家のお仕事だと思うのですが、どうなのでしょう。
 そこで別の事を考えてみました。映像の品質や2クール(?)の長さを確保しているということを考えてみますと、本作は実はとても恵まれた制作体制で作られている。それが故にパトロンの発言力は絶大で、原作の台詞は一言一句かえてくれるなという要求を全て受け入れて作られている、と。
 TVアニメはその全てがCMであるという制作者の自嘲的な発言も耳にしますから、パトロンの要求を無視することなどありえない事でしょう。小説のファンのために作られているとしたら、この方針は正しいと思います。金を落としてくれない人の意見なぞ、聞かなくても正しい…、悲しいけれど現実はこんなものかもしれません。
 これが金もない、時間帯も確保できなかった、とりあえずここまでアニメにしてくれ! という劣悪な制作環境であったのなら、台詞は必要最低限まで削り込まれ、当麻と「敵」のアクション中心のアニメだったのかもしれないと考えますと、それはそれで観たかったと妄想してしまいます(笑)
 来週はいよいよ「アクセラレータ」と対決でしょうか。彼が想像以上の「悪役」であれば嬉しいのですが。