かみちゅ!第8話『野生時代』

 ゆりえの住む街へどこからともなくやって来て「ネコの王国」を築きあげた「タイラー」と、そのタイラーの暴走する野望を食い止めるために立ち上がった(?)「タマ」とネコに変身した「ユーリエ」の活躍を描いている本エピソードは、ここまで視聴してきた中で一番の異色作でございました。なるほど、世界の危機はどこにでも潜んでいるという壮大なテーマが…、違います(笑)
 今回はとにかく絵が「動く」ことの楽しさを堪能する、堪能して貰うことに主眼がおかれておりまして、何時もそう感じてはいるのですがこうしたエピソードの場合特に「百聞は一見にしかず」という、言い尽くされた古い諺の持つ真理を痛感する次第でございます。
 元々本作の作画は高水準で高止まりといったところなのですが、これまではそうした能力の高さが割合目立たない部分に使われております。もちろんそうした神経の行き届いた作画があってこそ、作品の「質」を押し上げていてくれるのですが、なかなか伝わりにくいことも事実でございました。
 しかし今回のエピソードではその能力の高さを十二分に発揮し、それを生かすカメラワークと相まって素晴らしいものを観せていただきました。最初のTV放送ではこの回はカットされたようですが、それはとても残念なことだったと思えてなりません。
 ただ「動いた」から楽しかったのではなくて、この「かみちゅ!」という作品にぴったりと合ったお話で、そのお話にこの「動き」は不可欠だったから、今回の作画能力を高く評価したいと思います。もっともどの回の作画も見事なのですが。