屍姫 赫 第3話『夜の声』

 マキナとオーリを物語の中心に置いてお話を進めているから止むを得ない部分はあるのですが、この作品に一番不足しているものは「悲しみ」だと思いました。もちろんこれから「マキナ」の悲しみは描かれて行くのでしょうが、退治される方「屍」の悲しみが上手く伝わってまいりません。
 日本の怪談が恐ろしいのは生者と死者両方の「哀しみ」が描かれているからで、死者は一方的に「倒される」存在ではないからだと思います。ですから今回もその部分に近づきながら触れられなかった残念感が残ってしまいました。
 子を思う母の心、妻を思う夫の気持ちをもう少し掘り下げてくれたのなら、大絶賛(笑) したと思うのですが、この寸止め感が続くとすると私の中では微妙な作品に終わってしまいそうな予感がいたします。會川さんの脚本に期待したいところでございます。