終了記念「極上生徒会」

 3年前に放送されたらしい(当然のように地方では放送はありませんでした)アニメ。当時よく訪問していたサイトで好意的な感想がアップされていて観られないことに口惜しい気持ちを抱いておりましたので、今回全話視聴できたことは幸いでございました。
 出てくるキャラが女の子ばかり(刺し身のつま的に男の子も出演はしておりましたが)だったり、学園ものとは言うものの授業シーンは出てこないし(教師もきちんと描かれていたのは二人だけ)、設定もかなり無茶を通しておりましたが、この作品は「ブッチャン」という「ジョーカー」なキャラを生み出したとき勝利が約束されたと思います。
 一見「女子高生の学園もの」に見える作品にこういう無茶なキャラを出演させますと、作品のバランスというものは大きく崩れてしまうものですが、前面に押し立て過ぎるでなし奥に引っ込みすぎるでなし絶妙なポジションを用意したスタッフ各位の「バランス感覚」は見事でございました。バランス感覚といえばあれだけ大勢のキャラを出してたのに、ひとりとして「捨てキャラ」がいなかったというのも凄いものでございます。シリーズ構成の黒田洋介さんの仕事なのか、監督の岩崎良明さんの手腕なのかは不明ですが気配りの行き届いた作品は観ていて気持ち良いものがございます。
 画面作りでは独特な効果を施しておりましたが、それが効果的だったかどうかはともかくといたしまして、なにかしら新しいことに挑戦したいという心意気は当時の視聴者に伝わったのでは、と思います。
 それとこうした作品であるにもかかわらず「萌え」といった要素をほとんど(全部でしょうか)入れなかったのも、当時の(そして今でも)そうした傾向になにかしら思うところがあったのではと邪推してしまいましたが、純粋に「作品」を楽しんでもらいたい、幅広い層にも観てもらいたいと考えれば、特定の層だけをターゲットにしなかったのは正解だったと思います。
 変な先入観で視聴しなくて良かった、観続けていてよかったと、完結した今思う次第でございます。