RD 潜脳調査室 第17話『ホーム@ホーム』

 たとえばたまたまチャンネルを合わせた方がこのエピソードを観たとしたら「なんぞこれ?」と思うであろう事は想像に難くありません。そういった意味では「一見様お断り」のホームドラマでございました。ただこの作品が好きな人間としますと、この方向性はとても好ましいものでございました。
 アクションや舞台設定を生かすためには登場人物をきちんと描く事が必要ですし、キャラの肉付けにこれほど手間をかけてくれるというのはとても貴重だと思います。「近未来アクションアニメ」として鑑賞なさっている方々には不満もあると思うのですが、この作品はアニメにおける「記号としてのキャラ」をもう一段引き上げる事に重点を置いた作品ではないかと思うのでございます。
 そこを描こうとすると、お話は地味になりますし視聴者に飽きられてしまう可能性は大きいのですが、そこに踏み込んでいく姿勢を見せてくれるI.G.の本気は「年寄りの」アニメファンには嬉しいものがあるのでございます。若いアニメファンばかりに対象を絞るだけでなく年寄りが観るに耐えるものを一つくらいあっても宜しいでしょうしね。
 久しぶりに再会した家族の、少しだけ特別な日常を淡々と描いて見せた今回はとても優しい印象を受けました。洋子おばあちゃんの意味深な台詞は今後の伏線なのでしょう。次週以後が楽しみでございます。