RD 潜脳調査室『職』

 「若いツバメ」も死語でしょうか(笑) 今回は「エロ担当」の書記長のベッドシーンがございましたが、相手がソウタでしたからびっくりしました。確かに以前のそのシーンでも影がソウタに似ているとは思っていたのですが、あれはてっきりソレ用の(ホロンのような)アンドロイドだとばかり思っていましたので虚を衝かれました。そうなった経緯はこれから描かれるのでしょうが、そもそも書記長の実年齢は幾つなのだという別の疑問も湧いてきます。この作品の世界なら「百歳」と言われても納得なのですが、・・・考えるのは止めにします(笑)
 物語はメタルの海の底からやってくる「なにか」のお話は脇に置いておくとして、ソウタとミナモの父親である衛(まもる)の自分の職責を果たした男のお話。こういう縁の下で仕事を実直にする人はたくさんいらっしゃると思うのですが、日が当たらないどころか貧乏くじを引かされる方が多いわけでございまして、いや今回のお話は年寄りには堪えます。
 大惨事を未然に防いだとしても誰かが責任を取らなければならないわけでして、そういう時は往々にして現場責任者が指名されます。本編の衛はその状況に置かれた時言い訳をすることもなく全責任を自然体で受け入れました。格好よすぎです。
 顛末が公表されることもなく汚名を着たまま部屋を出て行くその後姿に、彼の元部下たちは「仕事」の本当の意味を知り元上司に温かい眼差しを送るラストシーンはそういう人間になりたくてもなかなかなれない人間には叱られているようで辛いのでございます。皆が皆衛のような人間ではないのならそうした罪悪感も感じないのでしょうが、彼のような人間を実生活で一人でも知っていると己の情けなさばかりが強調されてしまいます。・・・しっかりしないといけません。
 ですので(どこに掛かっての「ですので」なんだ!)、久島や波留に礼を言われて衛が涙を流すシーンは少なからず違和感がありました。そういう男ならあそこは「笑顔」こそが相応しいと思うのですが、どうなのでしょう?