シルクロード少年ユート『ラブレター トゥ チンギス カン』

先週を受けて、今回はキピョン宛てのラブレターを届けるお話。当の本人は簡単に見つけ出したのですが、そこからが今回の見せ場でした。渡そうと取り出した恋文はチンギス・カン宛ての和平書で、間違ってチンギス・カンに届いた恋文は通訳の直訳(過剰な恋愛の修飾はケンカを売っているのと変わらないというオチ)で彼の怒りを買い、取り繕ろうとしたラモーンたちの工作によってさらに火に油を注ぐ結果になります。この辺はテンポが良くてあっという間にクライマックスでした。
さてどう決着をつけるのかと思えば、幼児に変身(自分の意思ではありませんが)したユートの「穢れを知らない清らかな瞳」が、怒りに我を忘れていたチンギス・カンを鎮めるという、まあ、ある意味反則でございました。でも幼児ユートの「キラキラ瞳」は妙な説得力がありましたので、納得しました。
多分小説で読んだとしたら絶対納得はしないと思いますが、アニメは「絵」という武器で成り立っていますし、その絵を「演出」でどう見せるか、どのようなレイアウト・タイミングで見せるかで受ける印象は随分違うと思っております。この作品のスタッフはその辺りが手馴れているようで、観ている間は「不快感」を感じさせないよう上手に騙してくれます。それはとても大事なことのように思えます。
お話ではキピョンとパジャの恋の行方は判然としませんでしたが、ま、後は二人で何とかしろという事なんでしょう。次回は399年のニヤ。春麗の秘密の核心なのでしょうか?