電脳コイル『沈没!大黒市』

ある統計によると小学6年生で男女がケンカした場合、女子の方が勝つ確立が少し高いそうです。
すっかり影が薄くなってしまったダイチは、メタバグを手に入れるために小さな金魚の形をしたイリーガルを捕獲し育てますが、そのイリーガルは自分で古い空間を増殖させはじめます。このままでは大黒市は古い空間に覆われてしまう!・・・というようなお話だけを見たら、もの凄く緊迫感に溢れるストーリーです。この手の「異種」を隠れて育てるという話はよく見かけるお話ですし、大抵の場合結末は両者共に不幸になるという事が多いのですが、さすが磯監督、和やかな(?)お話に仕上げてくれました。ダイチが「とり憑かれた者」特有の顔に描かれているところは細かい表現でしたが、あれは単に寝不足からくるものかもしれませんので、さすがに私の深読みのし過ぎというものでしょう。
さて、ダイチの扱われ方なんか見ていると身につまされるところが多すぎて、「これは経験者の脚本」と思えてしまい多分監督の少年時代もかくありなんという気持ちになると同時に、この年頃の男の子なんていつの時代もたいして変わらないものだと再認識いたしました。もし私と同世代のおじさんが観ていたとしたら、とても共感できるのではないでしょうか、と。
今回イリーガルにはメタバグ(あるいはキラバグ)を持っているものと、そうでないものの2種類(あるいはもっと多く)いること、それとおばちゃんの会員番号が2番であることいる事が判明しました。