精霊の守り人『シグ・サルアを追って』『最後の希望』

物語が佳境に入りました。自分が生きた意味が必ずあるのだと信じたチャグムの顔は、すでに少年のそれではなく、一人前の男の顔に。年月が少年を大人にするのではなく、「自らの意思」で大人になるという今回の描写が大好きです。バルサは冬の間にチャグムがそうなると予想していたのか、それともそうなって欲しいと期待していたのでしょう。トロガイに頼んでおいた短剣を一人前の証としてチャグムに渡すシーンは「グッ」ときました。とは言え、未だチャグムの運命は彼自身だけではどうにもならないという状況は続いているのですが。
で、今まであまり頼りにならなかったタンダでしたが『最後の・・・』で活躍。よかった、タンダにも見せ場がありました(笑)バルサや他の人物たちが事態の中心でもがいている時に、少し外にいて冷静に判断、彼らを助けるというこれまで描かれたタンダのキャラクター通りの行動でした。この作品のキャラには行動に常に一貫性がありますが、どうやら最後まで破綻することなくいけそうです。
ところで「あの世」と「この世」を繋ぐ触媒が可憐な「花」というのは、当然なんらかの意味があるのでしょうが、当方その方面の知識がありませんので何も語ることはできません。残念です。こういう時に「知識」って必要だと痛感いたします。