びんちょうタン『春のお目ざめびん』『お仕事げっとびん』

2年前のアニメの感想かと思われるでしょうが、恥ずかしながら初見です。書店で原作本は見かけていたのですが、表紙から得られる情報があまりにも少なすぎて購入を躊躇っておりました。アニメの方は放送そのものがありませんでしたのでこれも未見。このまま一生この作品とは縁がなかったかもしれませんでしたが、友人よりDVDを借りる(というか押し付けられたのですが)機会がありまして観ました。

正直「萌え」という感覚は分からない年代ですので、この作品の「キモ」を理解していないのだろうことは自分でも分かっています。ですが・・・、この2話を観てすでに涙腺が怪しくなっております(笑)。検索してみると「キャラクター」が先行して「物語」は後から出来たようですが、どうしてこんな物語にするかなー。狙っているとしか思えません。そして個人的には「ストライク」でございました。

『春の・・・』はびんちょうタンの一日を描いて、世界観の紹介でしたのでそれほどでもなかったのですが、『お仕事・・・』の方は色々泣けました。お米が無くなって仕事に出るところ、おもちゃ屋のショウケースの前でお目当てのプリントパンツが買えなくて、それでもバーゲン品のプリントも気に入っていたので満足でした、なんて所は悲しすぎる!でもその夜楽しい夢を見れたびんちょうタンは幸せだったのでしょうが。

「子供」なのに「天涯孤独」で、「貧乏」なんだけど本人は小さな「幸せ」を感じながら日々過ごしていますという状況が淡々と描かれていて、それが観ている方にとってとても辛い。「本当は泣きたいほど寂しいでしょ?」と感情移入してしまいます。こう思わせたら制作者の勝ちなんでしょうけどね。「健気」という言葉を久しぶりに思い出してしまいました。

背景も美しく描かれており、井上喜久子さんのナレーションもぴったりとはまっているこんなアニメを深夜枠で放送したなんて、TBSももったいない事をしたものです。

検索した中でお気に入りだったサイトのひとつを
http://www.geocities.jp/nekoma_bin/index.html