四月は君の嘘 第8話『響け』

公生をライバルとして生きている武士と絵見の演奏回。
届かない目標であってもひねくれたりいじけたりしないで研鑽を積んできた二人のこれまでが演奏で爆発しておりました。
ライバルとの関係は様々に描くことが可能だったのでしょうけど、本当にこの作者さんは「悪者」を描かないよう務めているようで、それが作品に反映されておりまして実に気持ちがいい。
公生にしても様々な葛藤を抱えていてもピアノに対しては真摯でございましたが、彼らも同様でしたね。
他者を貶めて自分が勝ってもそれは自分をも貶める事にしかなりませんで、そうではなく自分を磨き上げてライバルの上に立ちたいという、…健気で美しい闘争心に画面の此方側でウルっと(笑)
ライバル(公生自体はそう思っていないのですが)の渾身の演奏を聴いて何も感じないようでは同じ舞台に立つ資格も、彼らにライバルとして認めてもらうことも出来なくなりますので、公生も生まれ変わらなければいけません。
競い合って高みを目指す。本当のライバル関係が描かれておりまして魂を揺さぶられました。良い作品でございます。