いなり、こんこん、恋いろは。 第十話(終)『いなり、こんこん、恋いろは。』

うか様が消えてしまうと知ったいなりが狐たちの協力で高天原まで駆けつけたお話。
1クールでも短いのに10話ではこれが精一杯かもしれませんが、結果的に余韻が足りなかったように感じてしまいました。
この作品で一番重要なものはうかといなりの濃密な結びつきでございまして、それがあればこそこの別れが活きてくるのですけど、肝心のその部分が淡白だったでしょうか。
これが神様の力を得て右往左往する少女の話(「かみちゅ!」)ですとか、ただ神様が見えて居るだけのお話(「ぎんぎつね」)であればこの話数でも何とか乗り切れたと思うのですが。
アニメ化に際して改変も再構成も許してもらえない現状ではどうにもならないことなのかもしれませんね。
見えなくなっただけでいつもそこに居る。
神様と人間の当たり前の関係に戻っただけでございますが、一度その存在に触れたいなりが今までと違う生き方をする後日談も見たかったですし、…やはり色々と物足りなさを感じてしまう終わり方でございました。
素材は良かっただけにもう少し何とかならないものかというのがこのアニメの感想でございます。