俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 第3話『俺の友達が眼鏡を外すわけがない』

沙織バジーナのお話。
単独のエピソードといたしましては申し分のない出来でございました。と申しますのはこの作品の初回を観た時に感じた雰囲気が出ておりまして、それは特殊な趣味であり世間的にはなかなか認められない「日陰者」である「オタク」を貶すのでもなく賞賛するのでもなく「当たり前の存在」として冷静に描いている。そんな作者の眼差しが感じられたからでございます。
体が弱く他者と触れ合う機会もないまま成長して行く妹を強引に引きずり出して外の世界と接触させる姉・香織。しかしあくまで「扉を開く」だけで外へ出て歩くのは自分の意志でといった辺りが麗しい姉妹愛(笑)でしたね。
香織は交際範囲が広そうですのでなぜ「オタク」のところへ沙織を連れて行ったのかは、世間から疎まれている存在の彼らなら妹の孤独も理解してくれると云う事なのかもしれませんが、この辺は描かれていなかったので推測の域はでませんがね。
でもそう考えれば沙織が桐乃や黒猫を仲間として迎え入れてのも腑に落ちるわけでして、それこそ「ソウルメイト」(笑)である彼女たちが沙織の元へ集まって来たのは必然なのでしょうから。
かような視点で描かれる本作は好みなのですが、どうしても恋愛要素中心になってしまいますとおじさんとしては拒絶反応の方が大きくなってしまうんですよ(笑)