氷菓 #16『最後の標的』

「十文字事件」は進行し、「く」を飛ばして「け」の軽音部から「げん」が「失われ」ていたというお話。
やはり「夕べには骸に」は重要なアイテムだったようでございまして、此処から導き出される答えは「これがひとつの作品」ではないかとおっさんは考えるのでした(笑)
まあそれはともかくといたしまして、今回興味を引いたのは「里志の表情」でございました。
冒頭意気揚々と探偵気取りをしていた里志が、奉太郎が動き出した途端暗い…、と申しますか様々な負の感情を押し殺した表情を浮かべておりましたが、あれは奉太郎に対する嫉妬ととって良いのでしょうか?
まあ気持ちは分かるんですよ、一生懸命考えて行動しているのに自分では解けない謎なのに、それをいとも簡単に核心を突いてくる奉太郎に対する嫉妬であれば。
里志がいつも一歩引いているのは、夢中になり過ぎても報われない事を知っていて、その虚しさを隠すために飄々としている自分を演じているのではないでしょうか。
そしてそれは誰にも知られてはいけない。その里志の心を表現するような見事な演出だったように感じました。…もっとも私の里志に対する考えが正しければ、のお話でございますが(笑)
さて奉太郎の姉・供恵が何故「夕べには骸に」を持参して奉太郎の前に現れたのか。事件を解くカギがこの同人誌にあるとするなら、彼女は一年も前から今日のこの事態を予想していたのでしょうね。…まさに本作の「神」でございます。
クドリャフカの順番」とは何を意味するのか。諸々の謎を残しつつ以下次週でございます。