人類は衰退しました  第4話『妖精さんの、さぶかる episode2』

妖精さんたちの作った「同類誌」に閉じ込められた「わたし」と「Y」と「助手」の三人は、脱出のために読者を意識した「お話作り」に精を出すのだった、というお話。
エンターテイメントとしては面白いエピソードでございましたが、やはり同じ「創作」に携わる者としての遠慮なのか、あるいは「愛」故(笑)なのか「毒」という批判性は若干薄められていたように感じました。
趣味性の強い「同人」という活動に対しての批判が欲しかったかもしれません。
いや、「同人活動」の全てが趣味性が強くて内向きで、「外」に対して発信することに臆病になっているとは申しませんが、「Y」のように「腐っている(私が言っているのではなく、公式サイトの「キャラクター」でそう書かかれていたのでw)」方々のソレはそう感じられましてねぇ。
「腐っている」ことは別に悪い事ではなくて、それが極一部の愛好家の中で完結してしまっていることに対する批判があったんじゃ…、そんなことはないか(笑)
妖精さんが人間のマネをすることで浮かび上がってくる文明批判が本作のキモと考えますと、「さぶかる」を対象にするよりももっと適した題材があるような気がしております。
まあそれはそれとして、今回の真っ白な背景は妖精さんたちの感受性で、そこに「わたし」を始めとする衰退した人類が様々な色を流し込んでトラブルに発展することを暗示していたのかもなどと、色々考えさせられまして今回も楽しませて頂きました。