坂道のアポロン #07『ナウズ・ザ・タイム-Now's the time-』

薫と千太郎は気まずい雰囲気のまま学園祭を迎えてしまうが、「ザ(ジ)・オリオンズ」の演奏中に電気系統の故障から音が出なくなった時、というお話。
幾ら鈍い千太郎でも百合香と淳一の間に流れる「空気」は読んだのでしょうね。もうあっちこっちで人間関係は混線しておりました(笑)
で、
この作品は人間同士を繋ぐものとして「ジャズ」が利用されておりまして、まさに「言葉はいらない」と。
薫がピアノを奏で、千太郎が乱入する。あとはお互いの楽器に奏でる音が絡み合い溶け合って一つになってわだかまりなんか簡単に消えてしまう。…なんかエロいですねぇ(笑)
スタンダードな音楽を利用している利点はこういったところで発揮されまして、「素晴らしい演奏」という「記号」を視聴者が納得できてしまうのでございます。これがオリジナルな音楽の場合、「記号」として成立させるのは難しいですからね。
もちろん演奏している「中の人」の腕前があったことも見逃せないのですが、演奏の見せ方ですとか周囲の反応なども含めてカタルシスに導く演出の腕の冴えを見せて頂きました。
…もうこの「卒業」みたいなラストシーンが最終回でいいや(笑)