妖狐×僕SS 第11話『陽炎』

「蜻蛉」の影で「陽炎」ですか。双熾の生い立ちと凜々蝶の文通の相手のことが語られたお話。
この作品に登場しているキャラは皆「不器用」な生き方しかできないようですが(まあそれなりの理由はありますが)、その中でもこの三人(凜々蝶・双熾・蜻蛉)は特にヒドイでしょうか。
彼らは「人ならざる身」でございますからその気になれば「強い」のですが、その強さは外側にしか通用しない強さでございまして、それが内側の弱さを際立たせておりました。
それぞれが「嘘」と「罪悪感」を抱え込んでおりましたが、それは弱さ故のものであり、決して他者を傷つけようですとか遊びでといったところから発していないのがこの作品の素晴らしいところでございますね。