シュタインズ・ゲート #24(終)『終わりと始まりのプロローグ -Achievement Point-』

オペレーション・スクルド、ミッションコンプリート!というお話。
最後のミッションでございましたので、ここは主人公補正かけまくりで爽快感を優先しておいても良かったのではと感じまして、例えばサイリウムセーバーの血のりが固まってしまったところは「ふっふっふっ、この俺様が何十回こんな状況を乗り越えてきたと思ってるんだ。こんなこともあろうかと」と軽やかにかわして頂いても、と。
ですが本作は最後まで細部におきまして「人間として出来る範囲」の対応にブレがございませんで、この辺の制作姿勢は見事でございました。
さて、岡部の永遠とも思えた三週間は終わりを迎え、手にしたものは不確定な未来を持った「現在」でございました。結果的にはDメールを送る前と状況的には同じでございます。結果だけ見れば同じでも過程の重さが全く違う。その過程こそがこの作品の一番重要な部分でございました。
この「現在」は岡部自身が自ら手にした「現在」でございまして、決して誰かから与えられたものでも、漫然と暮らしていて「やって来る」ものでもございません。そしてその事を岡部は誰よりも知っている、と。
本作はタイムトラベラーものなのかもしれませんが、困難に対峙した時、笑顔でそれに立ち向かうというキャラはおっさんが大好きなハードボイルドのソレでございまして、その意味でお話そのものよりも中盤以降の岡部のキャラに強く惹かれたのは当然なのかもしれません(笑)
絶望的状況でも諦めることなく前へ。信じれば世界をも掴める。
うん、素晴らしい作品でございました。