俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第7話『俺の妹がこんなに小説家なわけがない』
黒猫氏の創作物に対する矜持や見識には同意いたしますが、お話自体に関しては…。
桐乃の「高ビー」(これも死語か…)な性格につきましてはこれが桐乃のキャラだと納得しておりますし、もうね、おっさんの歳になるとこれが可愛かったり愛おしかったりするから(笑)問題はございません。
勉強が出来てスポーツ万能、見目麗しく(これも死語だな…)モデルとして活躍もするというところも、この作品の主人公であるからと納得いたしましょう。
ただし、勢いと欲望の向くまま書いた小説が気に入られて小説家デビューという流れは、いくらなんでもやり過ぎではなかったかと。
本当に才能がある人が何かの拍子に「ポン」と世の中に出ること自体は否定いたしません。いくら努力をしようとも才能も「運」もない人はデビューできないということは厳然とした事実でございますからね。
でも、桐乃にそういった「才」があるような描写はこれまでありませんでしたし(「事実」として携帯小説が人気という説明が今回あったくらい)、あまりにも唐突。
「作りたい物語に沿って登場人物のキャラをその都度変化させる」という作りも否定は致しませんが、少なくとも私の好みではございません。
それよりも今回のメイン、「お兄ちゃんとクリスマスデートとクリスマスプレゼントを買ってもらう」という桐乃の屈折した(笑)内面を深く追求して頂きたかったでしょうか。
無闇矢鱈と風呂敷を広げるばかりがファンを獲得する手段とは思えません。