青い花 第8話『恋は盲目』

藤が谷の校内新聞で、各務先生結婚のニュースが広まります。以前、恭己の事情は何も知らないと言った各務を詰問する京子。一方、ふみが恭己にふられたことを知り、恭己に一言物申したいあきら。通学途中に恭己と立ち寄った甘味処で、あきらは恭己のふみに対する仕打ちを非難しますが、恭己の表情を見ているうちに、自己嫌悪をもよおしてしまいます。あきらは学校を休んだふみの家を訪れそのことを伝えますが、自分のために一生懸命になってくれるそんなあきらの姿を見て、ふみの心はわずかに晴れるのでした。(「青い花」公式サイト内「ストーリー」より)

 この作品は当初女子高生によるドロドロとしたお話になるのかなぁと予想したのですが、それを「少女たちの純粋な気持ち」のお話に昇華させているのは「あきら」の存在があればこそ、なのですね。不器用で警戒心が強く、些細な事で崩れそうになる少女たちの心を包み込み慰撫してくれる・・・あーちゃん、あんたは本当に良い娘だよ。
 あーちゃんが真っ直ぐに生きていられるのはまだ恋を知らないからだと思うのですが、彼女も恋すると不安に押しつぶされそうになり自分を見失ったりするのでしょうか?・・・多分違うな(笑) 「お喋りなちびっ子」(恭己評価)なあーちゃんは、心を外に開け放しているから「澱」が心の中に溜まらないでしょう。
 ドロドロしてないと書きましたが、文芸部の入り口ですれ違う「ふみ」と「恭己」の視線ですとか、校門での恭己と京子のやりとりなどは十分ドロドロしておりましたね(笑)
 さて、「爽やかな青春」が大嘘であることは経験者であれば誰でも知っていることでしょう(・・・そうでない青春を送った者の嫉妬も混じっております)。未成熟な感情(大人でも似たようなものですが)がぶつかり合うのに「爽やか」なはずがございません。
 それでも思い出は美しいまま保存されることでしょう。流した涙の意味よりもあの時泣いたという記憶となって。甘味処でさめざめと泣く二人の流した涙は「その時代を生きている者」よりも「かつてそこを通り過ぎた者」にとって「美しく」「爽やかな」青春の一コマなのでございました。
 うん、男女の違いはございますが、じじいには効いてくるアニメでございます(笑)