シャングリ・ラ 第十九話『東京空襲』

 ダイダロス掃討作戦開始。空襲を仕掛け火の海になる東京。その中には國子が育った「ドゥオモ」もあった。その渦中、炭素取引で大儲けをして悦にいる香凛の傍らにいた「メデューサ」に異変が起こった、というお話でございました。
 今回もお話としては大変楽しく視聴させていただきました。こうなりますと初期の停滞が本当に惜しい! 訳ですが、この作品はこういうお話なのだと自分を納得させることにいたしました。終わった事をいつまでも振り返っていても仕方がない、と(笑) いや、本当はそれでは上手くないのでしょうが。
 停滞していたわりにはもっと丁寧に描いていた方が良かった部分が中途半端で、たとえば今回の「ドゥオモ」を空爆する國子の心情、色々なことがあり「ドゥオモ」に対する思い入れのエピソードが不足していたために、万感の想いの國子に対して視聴者として感情移入ができませんでした。
 「記号」として「ああ、ここは感極まる場面なのだろうな」と理解できましたがそれだけ。本来であれば國子の心情と視聴者の心情が同調していなければいけないところなはずなのですが、「予備動作」と申しましょうか、事前情報が足りないためそうなれなかった。
 この作品は各所にそういうところがありまして、もう少しなんとかならなかったのかと。・・・全然「終わった事をいつまでも振り返っていても仕方がない」ではありませんね(笑)
 作画は一時のムニャムニャを脱して安定しておりました。恐らく(表記上の問題かもしれませんが)「ゴンゾ」の遺作となるであろう本作品には頑張っていただきたいものでございます。