地獄少女三鼎 第二十六話(最終回)『魂の軌跡』

 今週は「地獄少女ゆずき・怨み引き受けます」が次期シリーズへのブリッジとしてのお話から、などと考えて視聴(笑) 当然そんなこともなく終了いたしました。
 本シリーズの最初の雰囲気でしたらそれも「アリ」かな? と考えましたが、実はシリーズ全部を観終えますと「ゆずきとあい」の物語として一本の芯で貫かれていたと分かりますので、この考えは全くの見当違いでございました。単品としても楽しめるように作られ、それでいて26話を一塊ととしても楽しめるよう構成されていたと実感いたしました。スタッフの能力の高さを見くびっていたようです、反省。
 第一シリーズと第二シリーズを観ておりませんから、「あい」という少女が何故地獄少女になったのか? という根本的な問題は今回を観ての推測に過ぎませんが、恨みを抱いて死んだためと考えて宜しいのでしょうか? そして本シリーズにおいて彼女はその役目を「ゆずき」に託し、長かったであろう辛い役目から開放されるはずだった、と。
 一方「ゆずき」は誰に見取られるでもなく絶望のうちにその短い生涯を終え、その結果自分の「死」も認識できずこの世を彷徨っていた。そしてその死に方故、次期地獄少女としての資格を持ち指名を受けた。当の本人が知る事もなしに。
 「あい」は「ゆずき」を地獄少女にしたかったのか、そうではなかったのか。ここが最大の疑問でございまして、(視聴後30分の)現段階では答えが出ておりません。最終段階でようやく「ゆずき」を助け、その魂を浄化させ、自分は無間地獄へと歩き出したわけですが、とにかく「あい」は語りません。
 見ている人間が判断しろ、ということなのでしょうが「あい」は徹頭徹尾「傍観者」でしたから、ここから導き出されるもので迂闊な判断は辞めておいたほうが宜しいかと(笑)
 そしてエンディング、怨みの連鎖は止める事も出来ず、今日も人は愚かな怨みで身を滅ぼす、と。「ゆずき」の救済で物語を終えていれば「( ;∀;)イイハナシダナー」で済むものを(笑) 地獄に流す彼らが怖いのではなく、彼らに依頼する人の心の弱さが恐ろしいのだとというオチで今シリーズは終了いたしました。
 ・・・これは4期もあるでしょうか? その前に私は1期と2期を観なければなりますまい(笑) 
 最期に「絵」としては少し古いデザインのようにも見えましたが、見やすい構成、独特のタッチ、作品を視聴する邪魔にならなかった作画など、文字で伝えられない部分は「高目安定」だったと書き残しておきます。スタッフに感謝。