黒神 The Animation Episode06『サブの契約者』

 比蒺に依頼された水華魅はクロを捕獲しようとその契約者慶太に接触し、二人の関係に重大な過失を見つけるのだった…というお話でした。
 「元神魂」はルートと呼ばれる人間としか契約してはならない。なぜならシンクロやエクシードを発動するときに大量のテラを消費し、それはルート以外の人間では命にかかわる問題である、という分かり易い説明が水華魅によって語られました。その実例が自分と慎吾なのだという哀しい事実を言葉だけではなく「絵」としても見せたことによって、慶太に覚悟を促すと同時に視聴者にも分かり易い仕上がりになっておりました。上手いです。
 単純な物語だから幼稚ですとか、複雑だから高尚なのだという考え方には同意致しかねるものですから書いておきますが、どんなに複雑な背景があろうとも分かり易く作ることは悪い事ではございません。むしろ一見して分かり易く、あとで噛み締めると色々と味が出てくる方が作品としては上等のように思っておりますので、こう書いておきます。
 もっともこの作品は単純に娯楽作品だと思いますから、噛み締めて味が出てくるかどうかは(現時点では)定かではないのですが(笑)
 今回もアクションシーンがございました。毎回一箇所は必ず「アクション」させるのだというスタッフの気合のようなものを感じます。大変だとは思うのですがこの作品のアクションと説明シーンのバランスは今のところお互いを邪魔しておりませんので、このまま最後までこのペースが続けられることを希望したいと思います。
 お話の方は全体像は薄ぼんやりと見えておりますから、さして理解に苦しむところはございません。今後何度か転機もあろうと想像いたしますが、悪くなるとは考えにくい作品でございます。