屍姫 玄 第16話『愛しき異形』

 景世への想いを断ち切れないマキナの苦悩と、そんなマキナに対して向き合い方を模索するオーリ。アクションシーンもそれほどなく、七星の襲撃もない地味なエピソードだったのですが二人の揺れ動く心を的確に描写しており大変満足いたしました。こうしたネチネチとした心理描写を書かせると會川先生はお上手でございます。
 そうした「内側」をメインにすると、どうしても絵作りの点でマイナスになりがちなのですが、本作は作画・演出に「飽き」がこないよう最大限努力している工夫の跡が見られまして、そこにも好感をもっております。いや、風呂のシーンとか着替えのシーンの事ではなくね(笑)
 前回「声優さん」の事を書いたのですが、この回など視聴しておりますと達者な方がスンナリと話して頂くより、これくらい「引っかかり」があった方が(熱にうなされた頭には)訴える力があるように聞こえたのですが、これは勘違いなんでしょうかねぇ…。
 それにしてもこのお話で生々しい恋愛ものを描こうと思ったスタッフ、特に會川先生には感心しております。