とある魔術の禁書目録 ♯11『妹達(シスターズ)』

 今週もインデックスの出演はギャグシーンのみと、ヒロインとしては実に嘆かわしい扱いとなっておりましたが、正直申しますと彼女の場合はこの方がよろしいと思っております。過酷な運命を背負うには言動が幼すぎますし、ただしそれがインデックスの魅力でもあるのですが、彼女が窮地に陥ると痛々しさが前面に出てしまい直視しかねるのでございます。
 さて、「御坂シリーズ」になってから本作は実に面白くなってまいりました。これは作品の視点が完全に当麻目線になったことと、ヒロイン(ミサカ)の背景の哀しさが伝わってくるからだと思います。これまでの「インデックス編」は導入部でしたから仕方の無い部分もあったかもしれません(それでも冗長だと感じますが)が、「アウレオルス編」はキャラの背景が描ききれているようには見えず、そのため私には当麻の闘いに意味を見つけることができず、結果物語世界に入り込む事ができませんでした。
 しかし「御坂編」においては「ミサカ」の存在自体に意味があり、さらに感情表現(楽しそうな描写は前回ありましたが)が欠落しているが故により一層彼女の哀しみが視聴者である私に伝わってまいりました。それ故今回の当麻の闘いには意味があると思いますし、意味のある闘いであれば観ているこちらも「熱く」なろうというものでございます。う〜ん。ここまで来るのが長かったですね。もう少し早い段階でこういう展開が欲しかったものです。
 それもあって今までであれば意味を見出せなかったギャグパート、今回ですと「小萌・姫神・インデックスの焼肉パーティー」も物語の上で緩急を作っていたなと納得いたしました。小萌先生のアパートの天井が壊れたままという細かさも、「こだわるところが違う!」という厳しい見方ではなく、「スタッフも神経が行き届いている」と好感で見る事ができます。人間て些細な事でまったく違う印象を持ってしまう生き物ですからねぇ。
 今回は「アクセラレータ」の壊れっぷりも物語を面白くさせている重要な要素だと思いますが、まだ少ししか登場しておりませんですので彼の評価は次回以降でございます。