RD 潜脳調査室 第25話『ラストダイブ』

 「あれ、一週観損ねたのかな?」と思ってしまったわけでございますが、当然そんなことはございませんでした。先週の最後から今週のエピソードには1ヶ月くらいの間があって、その間には様々な描かれなかったドラマがあったのだろう・・・などと思ったのですが、確認したところ僅か2日しかございませんでした(笑) 先週の記念式典が行われていた際ディスプレイに表示されていた日付が2061年7月26日で、今回波留の走破タイムを計っていたミナモの時計が表示していたが2061年7月28日でしたので間違いはないはずです。これだからこの作品を観るときはメモを手放せません。
 その描かれなかった2日間にジェニー円に気象分子の危険性を納得させたり、打開策として波留のダイブを検討したり・・・。普通の作品であればここは「省略」すべきところとは思えませんが、この作品の場合はこれで正解のような気がいたします。描くべきは「人」の心の在り方で状況ではないと、これまで本作を観続けてきた方ならば了解していると思うからでございます。
 その「空白の」2日間で波留のダイブが必要な事、それがどれほど危険なことであるかはミナモも理解していたのでしょう。二人の間に漂うなんとも言えない緊張感がそれを表しておりました。静かな描写でしたがそれ故見事な描き方で、スタッフ各位の力量を再確認いたしました。決意する男と歩き出す女の子の対比も素晴らしく、特に波留が荷物をまとめて(もう戻って来ることも無いだろう)事務所を見渡して電気を消すところなど、おじさんウルウルしてしまった事は内緒です。
 「なんでもない日」を執拗に描くことで「特別な日」を浮き上がらせようとした意図は成功したと思います。あとは最後の締めを見届けるだけになってしまいましたが、このスタッフであればなんの心配もございません。
 そうそう、先週「プニ分」が不足・・・と書きましたが、今週は十分堪能させていただきました(笑) さすがに最終回は期待薄でしょう。いや、このスタッフならやりかねない(笑)