コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN 17『土 の 味』

 些細な行き違い、たった一つのボタンの掛け違いが多くの不幸を招くということを再確認させてくれたエピソードでございました。最終回を観終わったとき、今回のスザクとの話し合いが「引き返すことができた」最後のポイントだった、と振り返る事になるのでしょう。切ない・・・。
 この物語は創作物ですから当然「引き返す」という選択肢はございませんが、それでも視聴者にそう考えさせることで作品の悲劇性を浮き上がらせる効果はあるわけです。スザクはユーフェミアの騎士になると決意した時が、自分の犯した罪から抜け出す「ポイント」であったのですが、ルルーシュによってその機会を永遠に奪われてしまいました。ルルーシュもまた、あのときの不幸で偶発的な出来事さえなければ「ゼロ」の仮面を脱ぎ捨てられたのに、そうはなりませんでした。
 結局彼らは周り全ての人々を巻き込んで破滅への階段を登っていくしかなかったという事になるみたいでございますが、そうした穢れた魂を最終的に浄化するために「ナナリー」が配置されているのだとしたら、嬉しいなぁ・・・という希望的観測を抱いております。
 作品は佳境に入り、次週以降は次々と「死人」がでそうですが、戦力バランスが悪すぎることが少々気になります(どう考えてもブリタニアの方が強そうです)。スタッフ、ルルーシュに冷た過ぎ(笑)
今週のルルーシュくん
 スザクトの友情にすがる為に敵地にひとりで赴くわけですが、そこに保険を掛けておくところがルルーシュくんのルルーシュくんたる所以なのですが、その狡猾さが救われない理由のような気がいたします。大体星刻を捨石にするのはともかくとして、天子やカグヤまで危険に曝すような作戦を立てている時点で立派な「人でなし」でございます。
 自分では「天才戦略家」で人心を掌握する術に長けているように考えているようですが、人の心の移ろいやすさですとか深いところでの信頼を得る作業をしてこなかった「ツケ」を払わなければいけないところに差し掛かってきたようでございます。