びんちょうタン『ラムネとりんごあめびん』『むすんでひらいてびん』

前半は楽しい夏祭りの回。いかんせん尺が短すぎます。調べたら放送形態が15分ものだったからしょうがなかったのでしょうが、何回も書きますが惜しい。原作の切なさが省略されすぎです。・・・これは原作を読んだ後の感想なので、そう思うのかもしれませんが。もっともこの短時間にあろえを登場させたり、れんタンのアルバイト・スダじいのさりげない優しさを描いているので、大変だったとは思いますが。さらにあろえが唐突に登場。これは原作もそうだったのですが、なにか裏設定みたいなものがあるのでしょうか?お話上はこのキャラクターを登場させる意味は(今のところ)ないように思えるのです。
後半。お茶碗を買うお金が足りなくなったのは、さじにコロッケを買ってあげたためという認識でいいのかな。多分いいと思うのですが、この辺の描写はきっちり描いておいた方が、びんちょうタンの優しさが一層引き立って良かったと思います。もっとも万年金欠なびんちょうタンですから、そうじゃない可能性もあるのですが。後半部は切ない描写が多く、特に「むすんでひらいて」をしている最中に、自分のあかぎれだらけの手を見つめるシーンなどは胸が締め付けられる思いとでも申しましょうか、大人には(大人の方がと行ったほうが適切ですね)効きます。今の時代にあんな手をしている子供は見かけなくなりましたが、私が子供の頃は私を含めて大勢いましたから、その辛さが伝わってきてしまうのです。アニメなのに。
ところで今回特に感心したのは、CGで表現された「花火」と「湧き上がる雲」。透明感があって美しい絵でした。こういう描写は手書きよりCGの方が上手いですね。