パパのいうことを聞きなさい! 第11話『逢いたい時にあなたはいない・・・』

順調に見えた共同生活は、それぞれの無理の上に成り立っていたという事に気が付いたお話。
多分最終エピソードということなのでしょうが、また大元の問題を蒸し返しておりました。ファンタジーに徹するのか、それともリアルな問題を正面から受け止めるのかどちらか一方に的を絞った方が良かったように思えるのですが、結局最後まで綱渡りをしてしまいました。
これはラノベと云われる小説全般の良い処にも見え、欠点にも見えてしまう問題なのかもしれませんね。
読者層は深刻な問題を含んだ小説は望んではいないけれど、作家の方は現実的なものも書きたい。そこで折衷案として現実的な問題を含んではいるけれど可能な限り軽く、そして明るく扱うと。
こうした軽いタッチで現実的な問題をあまり考慮していない前回のようなエピソードですと、キャラやホンワカとしたムードを魅力的に見せてくれる術は長けておりますし、これがラノベに引き付けられる人が多い理由なのでしょう。
ただそうした「世界」に現実的な問題を放り込みますと、その「世界」と「キャラ」の軽さ故に違和感を感じてしまうのかもしれません。その世界とキャラに現実と戦う力はないだろう、と。
勿論私も祐太がやさぐれたり(笑)、空たちがぐれたりする姿が見たい訳ではございませんが、根拠もなく前向きというのはどうなんでしょうね(笑)
この作品だけの事ではなくて「俺妹」「はがない」と、その発端において提示された現代の問題が、回を追う毎に変質、あるいは消失してしまった作品を観て感じたことでございます。
まあ何回も書いたような気が致しますが、ラノベを読んだことが無く、あくまでアニメを通して感じたことでございますので、こうした不満はアニメスタッフに向けられるものなのかもしれませんが。
大体次回で最終回って事は、問題は何も解決しないってことなんだよなぁ。せめて2クールは欲しいところでございます。